義父と息子
父親になれない父親を持ったら
微妙な成長を描く
「義父と息子の愛僧を描いたサスペンス・ドラマ」たが、この時、息子を演じたのが若きニコルソンだった。攻守交替して、今度は息子に追い詰められる父親を演じているのだが、時代のせいもあって、息子にあの頃の陰影はなく、父親の体制的な強さもなくなっている。父と息子の対立も、今のような時代では、単なる性格の相違でしかないのである。今の時代に生きる人々にとっては、「そこまでする事か?」というようにも思うことかもしれない。ところがさすがラフェルソン、時代の様相に屈する事なく、今の時代の父と息子の関係を巧妙に構築してみせている。つまり、父親になれない世代の父親を持った息子たちはいかにして成長すべきか、というテーマを設定しているのである。実に深い。
ワインで温める
このテーマのもとに、父親による妻殺し、息子による父親殺しが織り広げられるのだが、あまりにも事件の顛末を通俗的に追いすぎたため、このテーマが薄まっているのは残念だ。もちろん、サスペンス・ドラマとして楽しむ分には文句ないし、カリフォルニア・ワイン片手に観るのもオツなのではないだろうか。サスペンスという事もあり、冷えた気持ちをワインで暖めるのがちょうどいいのかもしれません。